
今日は、千葉市美術館まで「蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち」という展覧会を観てきました。
蕭白のことは、芸術新潮のバックナンバーなどを読んで興味を持ち、2008年に東京国立博物館で開催された特別展「対決−巨匠たちの日本美術」で、初めて実物を観ました。その時観た「唐獅子図」に感動して、翌春、その絵を持っている松阪の朝田寺(ちょうでんじ。地元では「あさだの地蔵さん」で親しまれている)におじゃまし、ガラス越しではない生の「唐獅子」にまたまた感激して帰ってきました。朝田寺のご住職とその奥様には大変お世話になり、今回の展覧会があることもメールで教えていただいたというわけです。
さて、今回の展覧会ですが、4月10日から5月20日までの開催日を前期と後期に分けており、今日はすでに後期の展示となっていました。蕭白の代表作「群仙図屏風」や「寒山拾得図」、そして「唐獅子図」がそろうのは後期なので、“蕭白ビギナー”の方には、後期がオススメです。
蕭白ファンのわたしが今回、特に見入ってしまったのは、「鷹図押絵貼屏風」に描かれた鷹の姿でした。墨一色で描かれているのですが、その濃淡をうまく使いながら、緻密な線で獲物を捕える鷹が超リアルでした。蕭白はとにかく絵がうまいひとですが(下手な絵だってうまいっ!)、鷹は抜群ですネ。
そして、朝田寺の「唐獅子図」。3年ぶりの再会を果たし、胸いっぱいになりました。こちらにまっすぐ視線を送る唐獅子が語りかけてくるまで、静かに絵の前にたたずみました。
今回ちょっと気になったのが、唐獅子の阿形と吽形の絵の展示が逆なのではないかと。以前は、「平安蕭白画」とサインが書かれてあるほうが向かって右に展示されていたとおもうのですが……(東博でも朝田寺でもそうでした)。しかも、帰りに寄ったミュージアムショップで売っていた唐獅子の絵葉書も「逆」だったので、そういう展示方法に変わったのでしょうか。どうなんでしょう。わたしは、元の展示の方が好きでした(絵全体の流れとして)。※
蕭白のファンになって数年、いまは初めのように、抜群の絵のうまさや、奇妙奇天烈な世界を描く蕭白に注目するより、いわゆる「奇想」の画家と呼ばれる蕭白の、「狂気をコントロールする理性の強さ」のようなものに惹かれて絵を観るようになりました。どんなに狂った絵を描いても、それを支配する理性は、どこで鍛えられたものなのか……。その生涯に謎の多い蕭白ですが、生の蕭白のすがたを想像してみるのも楽しいものです。
30点ほどの蕭白の絵と、彼と同時代またはその前の画家たちの絵も観られて、今日はもう胸いっぱいです。
でもおなかはいっぱいにならなくて(苦笑)、帰り、エキナカの立ち食いそば屋さんで、たぬきそばを食べて帰ってきました。
写真は、蕭白の「唐獅子図」。以前は、この並びで飾られていました。
※追記(2012年5月10日)
「唐獅子図」の展示ついて千葉市美術館の学芸員の伊藤紫織さんよりメールを頂戴しました。
「ご質問の朝田寺ご所蔵「唐獅子図」の左右についてですが、もともとお寺の壁に貼り付けられていたときには向かって右が吽形、左が阿形だったそうです。
その場合署名は中央よりになります。ところが一般に双幅の場合、署名は外側に来るのが通例なため図版では左を吽形、右が阿形と載せることが通例となり、それにつられて、壁から外されて掛け軸になった作品そのものも左を吽形、右が阿形で展示されてきました。
今回は壁に貼り付けられていた、当初の配置にならって展示した次第です。
絵ハガキも今回作成分は当初の配置にならいました。」
とのことです。お寺の本堂の壁に貼り付けられていたときと同じようにしたのですね。うんうん、これで納得。
posted by ひろか at 21:50| 東京

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